コータくんの戦いっぷり(観戦記)   [表紙に戻る]


99/7/2(金) 南米選手権(コパ・アメリカ) 一次リーグA組 日本 vs パラグアイ (アスンシオン)

以下は、パラグアイまで急遽コータを応援しに行った、いそやんさんの生観戦記です。

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さて、東京ラウンドでデビューさせたシンプルだんまくですが、今回のパラグアイ行きを決めた理由の一つが、
「2回しか使わないでまたしまっておくのはもったいない!」
なので、当然、持っていきました。
しかし、会場は東京ラウンドの全く逆、超アウェイ状態。ペルーとボリビアがまだ試合やっているってのに、パラグアイコールは起こるわ、ウエーブも起こるわでもう大変。
最前列は、すでに通路まで人がぎっしり。そもそも、向こうの人たちは、とりあえず席番号関係なしに自分の好きなところに座って、あとから来たその席の人からクレームつけられても、ちょっとずれるだけでなかなか自分の本当の席に行こうとしないのです。だから、あっちこっちでみんながおしりを移動させている光景が見られました。
 私と藤島さんは、最初から番号どおりに座っていたのですが、藤島さんは、あとから来た人の番号も同じ番号で、やむを得ず違う席に座っていたものの、いつその席の人がやって来るかちょっとドキドキ状態だったようです。
ペルーVSボリビア戦もあと5分ほどで終了というころから、藤島さんはカメラの組み立て、私はダンマク貼りの単独行動に。藤島さんをおいて、い
ざ、我が道へ。
まず、前のほうへ移動。試合終了と同時に人が動くだろうから、その隙に前に割って入ろうという作戦。
通路で立ち止まっていると、係員が「早く席に着け(推定)」、と注意しにくるので、
「これ以上は前に行けない」と表情で訴え(ているつもり)、通路でじっとタイミングを計ることに。
目の前に、革ジャンを着てトランシーバーらしきものを持った人がいたので、警官の偉い人かなと思い、前の壁にだんまく貼っていいかと英語で聞いたら、いい(推定)と言うので勇気百倍。
さあ、試合終了。人々が、一服 or トイレ or 買い物と、思い思いに席を立つ中、1人前に切り込んでいって、最前列! 日本ベンチからちょっとはなれて真横! でもメインスタンドだからテレビには映らないな・・・
だんまくを取り出して広げ始めると、まわりの人たちが、、何だ、何だ?と、不思議そうな顔をしつつも左右にたぐり寄せていってくれました。最悪の場合、引きちぎられちゃうかもと思っていたので(実際、試合終了後、「おみやげ、おみやげ」とばかりに盗られちゃった人もいたらしい。)、この反応にはうれしい驚き。
ガムテープを切って隣の人に渡すと、隣の人は、またその隣、そしてまた隣・・・と回していってくれて、無事、だんまく、張り付け完成!
貼っているあいだも、貼ったあとも、「これはなんて読むんだ(推定)」、「誰のことなんだ(推定)」と、絶え間なく聞かれました。そのたびに、後ろを向いてレプリカの背中を指さし「YOSHIHARA」、向き直ってコータマフラーを広げて「KOHTA」、と、繰り返し教えてあげました。
最前列の一人が、
「ここは自分の席だけど、君は僕の後ろに座るといいよ(推定)。」
と、席を指さして・・・あら、ここは階段! まっ、いいか。階段も後ろまでぎっしり座ってるし。
てなわけで、五輪予選東京ラウンドの時、入り口で配られたベストをおみやげ代わりに持ってきていたので、その袋を開けて、階段に敷いて座りました。ベストのほうはさっ>き手伝ってくれた子たちの1人にあげました。
そしてまもなく、軍隊の楽団が行進して来て整列し、両チームが入場して、国歌吹奏・・・試合開始!
スタメンの選手たちが脱ぎ捨てたウエアをスタッフの人たちが拾い集め、ベンチに戻ってくるのとほぼ入れ替わりに、選手が1人ベンチから出てきました。
あれ?もしかして・・・コータくん!? もうアップ始めるの?
・・・と思ったら、こっちをちらっと覗くような素振りを見せたあと、またベンチへ戻っちゃいました。どうやら、誰かからだんまく出ているのを聞いて、見に来ただけだったようです。
さて、後半も時間がどんどん過ぎて、アップしてるのは岡野選手だけ・・・このままコータ出なかったら、手伝ってくれたみんなにも悪いし、っていうか恥ずかしいし、コータくんにも申し訳ないことになるし、嫌みな奴って思われるかも・・・と、かなり心配に。
けど、コータくんもじきアップを始めました。しかも、ランニングの時、岡野選手はだんまくの手前で折り返してしまうのに、コータくんは私たちの目の前まで走ってきてくれる! それだけでもうるうるしてしまうのに十分だけど、けど、私が見たいのは、ピッチの中のコータくん! お願い、トルシエ、お願い、神様!
そしてとうとう、コータくんが城選手に代わってピッチにIN。
もう感激なんてもんじゃない。
どこかで、
「コーター、がんばれー!!!」
って、野太い声がしたと思ったら、それは自分が立ち上がって叫んだ声。
何事?って顔が一斉に向けられたけど、ここでひるんではいけないと思い、四方八方に向かってコータマフラー広げて、「あれがコータだ!」と説明(したつもり)。
ピッチの中でのコータくんの動きは、きっとテレビを見ていたほうがわかりやすかっただろうと思うのでここでは省略。
とにかく、自分を含め観客席はすごい興奮状態で、選手の一挙手一投足に本能から反射していました。でも、「やられる」とか危険な雰囲気じゃないの。パラグアイのゴール決まるとみんな総立ちになるんだけど、私のまわりの人たちは、腰下ろすとき、いつも私に向かって気の毒そうな顔するし。気を遣ってくれるのはありがたいんだけど、反面、すごく悔しかった。
コータが2人掛かりでチェックにあって倒されたときは、
「コラ! うちのコータに何しよっとか!」
って、怒る一方で、
「本場の当たりを経験して、帰ったらまた励めよ! それでもって、いつか倒し返したれ!」
と、唇かんで。ぜんぜん冷静になれませんでした。
こっちの精神が摩耗してしまうちょっと前に試合終了。
「もっと時間あればコータ活躍できたのに。」と思いながらも、
「これ以上ここにいたら、脳の血管切れてしまったかも。」と、少しほっとし、気を取り直してだんまくの片づけに取りかかろうとすると、再びみんな手伝ってくれました。
数少ない知っているスペイン語「グラシアス」を連発し、「おやすみ(推定)」と言い交わしてそれぞれ散っていきました。
そのあと藤島さんを見失った私は、スタジアムの外で途方に暮れていたのですが、日本選手の移動バスを発見、コータくんが出てくるのを今や遅しと待ち受けている藤島さんを見つけ、無事再会することができました。
  藤島さんのコメント「コータのいそうなとこにいれば会えるっしょ、と思って。」

こばなし1
メイン会場となったアスンシオンのDEFENSORES DEL CHACOスタジアムは、今大会に向けて建てられた新築ホヤホヤのようで、けっこう「おや?」と思う箇所がありました。
たとえば、テレビ等ですでにお気づきの方も多いと思いますが、電光掲示板。これは、開幕時にはまだ陰も形もなくて、この晩初めてお目見えしたそうです。
といっても、残り時間も、メンバーも表示されなくて、日本のそれと同じ機能を期待できるものではありません。現在の得点と、ゴールが決まったときに「GOAL!」と出るくらい。
また、 スタジアム内は水道が止まっていて大変でした。いや、できたばかりでまた水が来ていなかっただけなのかも。

こばなし2
会場の周りはすごい警官(軍隊?)の数。銃剣を携えた隊列がずらっと並んでいたのにはびっくり。入場口でチケットをチェックするのも警官。騎馬隊も小規模ながらいました。
帰りには、警察犬がたくさん連れられているのを見ました。テロ対策、爆弾探しのためでしょうか?
試合中、 ピッチの脇やスタンドには、ヘルメットをかぶり、楯を持った人たちが大勢控えていました。
選手の警備も厳重でした。
選手出入口では、出口からバスの昇降口まで、楯を持った警備員が隙間なく並び、いざバスが出るとなると、白バイが先導し、バスの後ろからパトカーがサイレンを鳴らして追随していました。
けど、出待ちの日本人(女の子多かった)たちとだんだん打ち解けて、言葉を交わす警官もいて、まるで日本人女性とパラグアイ警察の合コンみたいになっている場面も。

こばなし3
会場の座席、なぜか泥だらけ。みんな座席を階段代わりに踏んで上り下りするんです。
「参ったねー」と藤島さんと話していると、横から、すっと雑巾で拭いてくれる少年。
ジュース売りの子供でした。
「こりゃ買わなきゃしょうがないか」と、情にほだされる藤島さんでした。私は買いませんでした。だって、寒いのに冷たいのしかないんだもん。
 ごめんなさい、藤島さん。

こばなし4
南半球は冬。亜熱帯だから東京や札幌ほど寒さは厳しくないけれど、寒がりの私にとっては、Tシャツの上にフリース着て、ジャンパー着て、Gパンの上からウインブレのズボンはいて、ようやっとしのげたって感じ。その上から代表のレプリカ着て、コータマフラー巻いてたから、すごいカッコだっただろな。出待ちの時、何となく、バスの中のコータくん、引いてたような気が・・・。

帰りの空港でのこぼれ話(7/24追加)][ともちゃんのTV観戦記へ][写真を見る


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