ともちゃんのイタリア旅行記その4

1月10日(日)

今日は朝からバスでミラノへ。
この日はあいにくの雨模様。気温もあまり高くない。
しかし、この日は私たち2人だけ、添乗員に無理を言って別行動をする事になっていたのです。他のメンバーは市内観光。また同じような(^^;;宮殿や美術品を見ることになってました。

そう、この日はセリエAの開催日。せっかくミラノにいるのに見ないわけにはいきません!最初、どこか地下鉄の駅で降ろしてもらう予定が、ちょうど競技場の近くを通るらしく、バスを競技場に横付けしてくれました。
そのときになって、私たちだけが別行動をとると知った他のメンバー、ちょっと羨ましそうにしてました・・・。
やってきました、サンシーロ競技場。すごーい!大きい!!
今日はインテルとヴェネツィアの試合です。強豪と最下位のチームの試合だけど、楽しめるかなぁ。でも、ここで生でインテルの試合が見れるだけで嬉しい。

さて、一番の懸念事項だったチケット購入。チケットを持たないまま競技場に来てしまった私達。まあ、なんとかなるだろー。と思っていたら、なんのことはない、チケットブースで普通に売っていた。席種と場所がよくわからなくて(なんせイタリア語だし)ブースの前で困っていると、ダフ屋がうようよ寄ってきた。なんで全部の種類の席に空席があるのにダフ屋さんがいるのかしら?でもそういや、パープルサンガとの試合で京都に行ったときダフ屋がいて目玉が飛び出た覚えがあるわ(^^;;
ダフ屋さんにあーだこーだ言われてわけわからずにいると、一人の日本人が寄ってきた。こちらに住んでいて試合に通い込んでいるらしく、いろいろと親切に教えてくれた。結局我々はお財布とも相談してメインスタンドの2階席を購入。ゴール裏はやっぱりちょっと怖かったので。一枚5万リラ(4千円弱くらい)

さて、ダフ屋が寄ってきたり、お金を出したりいろいろしている間、ちょっと焦って周囲に気を配る余裕がなかったらしく、チケットを買ってほっと一息して気づいたら背負っていたリュックの口が開いていた。
うひゃーやられた、と思ったけれど、大事なものは全部別にしておなかのウエストポーチに隠し持っていたので、結局盗るような物はリュックには何も入っておらずセーフ。しかしあっという間。すごいね、プロは。皆さんもお気を付けください。

さて、試合開始まであと一時間半ほど。すぐに中には入らず、競技場の周りにある怪しい露天商をのぞいて回ることに。めちゃくちゃインチキくさいグッズがいっぱい売ってて楽しい。小物をいろいろサポーター仲間へのお土産に買いました。
コータくんに、バッジョのレプリカをお土産にしようと思っていたのですが、こういうところには、絶対本物のレプリカなんて売ってない。すっごい怪しい作りの、テロテロのものはあるんだけど。弱ったなぁと思いつつ、試合開始まで一時間を切ったのでゲートの中に入ってみると、ちゃんとオフィシャルショップが場内にあった。
入ってみると、人、人、人。もみくちゃにされながら、なんとかかんとか目的のものを購入・・・よかった・・・。

席のほうに行ってみると、ちょうど私達2人の席の横、どちらも少年が座っていた。お父さんと2人で来ているみたい。なんか、ちょっとほっとする。
綺麗な競技場です。試合開始までまだ間があったので、メインスタンドはまだガラガラでしたが、ゴール裏にはサポーターがびっしりで、すでに応援合戦を始めていた。屋根に反響してその声ったらまあスゴイの!
アウェイのほうも負けてなくて、逆側のゴール裏の向かって右側の一部の区画を陣取った(カシマスタジアムのアウェイ応援席みたいな感じ)ヴェネツィアのサポーター、数は少ないのに物凄い声を出します。それが響くと、インテル側からあっという間のブーイング。Boo...!!ではありません。ぴーぴーぴー。口笛が響きます。とにかくなんだかもう、雰囲気が尋常じゃない!
試合直前になると、メインもバックも人が埋まってきました。そんなに好カードではないので、アウェイ側のゴール裏が空いてたりして満員御礼というわけでもなかったようですが、それでもかなりびっちり入ってます。

さてさて、試合開始。選手達が登場してきました。おお、バッジョ先発。ロナウドも。魅せてくれるでしょうか!

最初の点はヴェネツィア側のとってもナイスなハンド(誰が見ても・・・っていう(^^;;)からのPKでした。ロナウドがきっちり決めます。
しかし、ヴェネツィアにもなかなかのストライカーがいて、1−1の同点にされます。ヴェネツィアの応援団、もうノリノリ。頭に来たインテルファンがヴェネツィアのサポーター席に向かって発煙筒を投げ込みます。ひとつ、私達のちょうど頭上から降ってきたのがあって、びびりました。
しかーし。やっぱりインテルは強かった。バッジョが左から抜けての見事なゴール!いやー、おやじ、まだまだスゴイ!
そして、今度はロナウドがゴール左で華麗な足技で相手DFを何人も翻弄し、ゴール前のサモラーノにぴたりと合わせるラストパスを出して、サモラーノ1点め。ロナウドくん、素敵でしたわ。

その後、ロナウドの見事なシュートも決まり、なによりバッジョのアシストでサモラーノがハットトリック・・・サモラーノがバッジョの前にひざまづいて両手を上げて「ロビーさまさま」って感じで拝むパフォーマンスがかわいかった。
もうとまらないって感じでスコアは6−1。ん。どっかで聞いたようなスコアだ・・・(^^;;

そんなになっても、ヴェネツィアの応援はテンションが落ちません。なんか、つい応援したくなりました。殺されるといけないので日本語で小さな声で「べねちあもがんばれー」と言ってました(^^;;
そしたら最後のロスタイムに、お客さんも帰り始めた頃に、ダサダサな1点をヴェネツィアに取られて結局6−2。ゴールラッシュ、堪能しました(^^)

あと一週間ずれてたら、ACミランvsペルージャというもってこいのカードだったんだけど、これだけのゴールが見れたし、満足満足。

さて・・・・・・帰りが問題でした。
一番近くの地下鉄の駅はロットというのだけど、来るとき直接競技場までバスが来てくれたので、そこがどこにあるのかわからないままだったんです。ハーフタイムに、近くの席にいた日本人女性2人に聞いてみたんだけど、「みんな行くからわかりますよ」とにべもないお答え。
それを信じて外に出てみると、みんないろんな方向に行くよー・・・。一番それっぽい流れに沿っていったつもりが・・・途中で人がまばらになり、気づいたら誰もいなくなった・・・ここはどこ???

しまった・・・迷子になってしまいました・・・
これから1時間半、雨の降りしきる中、路頭に迷うことになります。
しかし、イタリア人の世話好きさを本当に感じたひとときでもありました。
さっきの日本人の女よりよっぽど親身になってくれる!!

まず、思い切って、その辺を歩いていた初老の女性に声をかけました。
私達が外国人と見て、カタコトの英語でしゃべってくれます。
私も英語でなんとかかんとか話したんですが、バスを使えとのこと。それはちょっと路線などがわからないから、歩いていきたいと言うと、わかってないのになんとかして連れていってくれようと歩き出されて、なんとも申し訳ないやら不安やら・・・おまけに英語が私よりできないみたいなので、意思の疎通もままならず・・・これはヤバイと思って丁寧にお礼を言ってサンシーロまで戻ってきました。

さて、やり直し・・・と思っても、もう競技場周辺には余り人気がない。なんか物々しい集団がこちらに向かってくると思ったら、ヴェネツィアのサポーターを物凄い数の警備隊が取り囲んで護送中だった・・・。
しかたないのでまた人を捕まえて聞いてみることに。カタコトのイタリア語(カタコトどころか単語だけ(^^;;)で、通りがかった一組の若いカップルにアタック。またバスに乗ればいいと言われる。歩いていきたいといっても、遠いといって教えてくれない。しかし幸いこの人達もロット駅に行くということで、付いて来いとの有難いお言葉。

しかし・・・バス停で4人で待っていたんだけど、待てど暮らせどバスは来ず・・・雨が降り続いているのでいい加減ジーンズなどが濡れてきて寒い・・・おまけにそのうち、この2人が何が原因か知らないけど喧嘩らしいものを始めた・・・!おいおい、このまま喧嘩別れして私達置き去りなんてことになっちゃ困るぞ!!と焦りまくり。喧嘩の合間になんとか「この時刻表合ってるんでしょうか・・・急いでるのに」みたいなことを英語で言ってみると、やっと落ち着いて、バスは諦めてどっか他の所へ行こうとする模様。またついて来いとのジェスチャーなので、行ってみると、トリムという路面電車のようなものに乗るらしい。
いったいこれはどこ行きなの?と、手にしていたイタリア語のハンドブックと首っ引きで質問。もうすっかりこの本も雨でぼろぼろ。彼らは「大丈夫だって」という風に笑ってた。しばらくして下車、今度は歩き始めた。しばらく行くとちょっと開けたところに出てきた。カップルの男の子のほうが、「あれが地下鉄の駅だよ」と指したところに下へ降りる階段が見えた。Lottoと書いてある・・・ほっ。もう大丈夫。

そこからホテルまではかなり遠いのですが、地下鉄にさえ乗ってしまえばもう大丈夫。路線図は持っているので、あとは簡単。そのとおりに乗り換えしてきっちり到着。危ない危ない、もう少しで時間に遅れるとこだった。
お二人さん、本当にありがとう。あんまり喧嘩しないようにね!

今日のホテルは近代的なところで、従業員がみんな英語をしゃべってるのでそれはもうすっごい安心しました。
しかし、手違いで全員のスーツケースが届いていないとかでちょっとした騒ぎになってた。すぐに濡れた服を着替えようと思っていたのに、それができずそのまま夕食のレストランへ。

ホテルの部屋にはインターネット端末が設置されていて、ここからまたWe love Kohta!!へアクセス。疲れたけど楽しい一日でした!
昨日まで団体で観光で行っていた場所は、どこへ行っても英語が通じるし、下手すりゃ日本語も通じる。最近、中田のおかげでかなり日本びいきが増えているとか。ありがとう、中田。
しかし、団体を離れて一歩それ以外の場所に踏み出すと、やっぱりここはイタリアなんだー!って感じがしましたね。


1月11日(月)〜12日(火)

今日はもう朝からミラノの空港に向かい、そこから日本へ向けて出発する。
ホテルを出る前に、ちょっと日本に電話してみた。大阪にいるコータくんに。「もしもし?」と言った途端、こっちが名乗る前に「あぁ橋場さぁん」となんだか頼りない声。どうやら風邪で寝込んでいたらしい。
昨日の試合の話なんかをして、電話を切るとなんだか急に私の具合が悪くなってきた・・・あとから聞いたら、その日くらいからコータは回復に向かったとのこと・・・電話で風邪移されたか???(笑)
ていうか、参入戦に入ってからこっち、あちこち飛び回って、結婚式もあって、超ハードスケジュールで、絶対今倒れられないと気持ち張り詰めてたのが、最終日に来てコータの声聞いて安心したのかもね。まぁ、昨日雨に濡れたままだったのが直接の原因なんだけど。

空港に移動してからもどんどん調子が悪くなって、飛行機に乗ってからは、もうこれは絶対高熱だな、とわかっていながら、ずうっとまた映画を見てた。「アルマゲドン」をやっててビックリ。国際線って、上映してまもない映画もやるのね。高熱にうなされながら、またしても破壊シーンで飛行機が大揺れ、バーチャルリアリティを味わう。
そんな感じで食欲もあって、最初は余裕で頑張っていたんですが、残り数時間というところで死んでしまいました・・・。隣の席を空けてもらい、横になったが最後、2度と起き上がれませんでした。成田から横浜まで電車で帰ることを思うと、「頼む、救急車来てくれ!」と思ったくらいです。結局、空港のほうで車椅子が用意され、到着するとそれに乗せられて成田空港内の病院へ運ばれました。

注射や点滴を打って少し休んでいたんですが全然ラクにならず、そこにずっといるわけにもいかないので諦めて勇気を出して帰ることに。またJRのホームまで車椅子に載せられ、なんとか成田エクスプレスに乗って横浜へ。そこから地下鉄に乗り継ぐ気力も何もなく、高いお金を出してタクシーで自宅まで。自分の布団にありついたときは、本当に安心しました。しかし、その数分後、わきの下から出した体温計の表示を見て驚愕。39.7度・・・。次の瞬間、意識なくなりました(笑)

そこから3日間、寝たきり。コータくんはじめ、皆さんには本当にご心配おかけしました。一時は死ぬかと思いましたが、もうすっかり元気です!!


そんなわけで、最後とんでもない結末となりましたが、楽しいイタリア旅行でした。つたない文章、最後まで読んでくれてありがとうございました!!

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