初芝橋本高校時代の戦いっぷり   [表紙に戻る]


96/1/7 第74回全国高校サッカー選手権 準決勝 vs鹿児島実業(国立競技場)

本当に悔しかったと思う。
準々決勝まで勝ち上がって乗りに乗っていたチームだったけど、それまでに傷めていたコー太くんの右足首、そして左太ももは、この大事な試合になって言うことを聞かなくなってしまったのです。初芝橋本のエースであるコー太くんへの鹿実のチェックは執拗なものでした。前半の早い時間帯でコー太くんは転倒の連続。なだめすかしていた傷は激痛をともなってコー太くんの動きを鈍くしていったのです・・・。

それでも前半の28分に、天才的ともいえるゴール前のポジショニングの上手さから蹴り込んだ先制ゴール!足を痛めているというのにいざというときに見せるものすごいスピードには本当にため息が出ます。ピッチ中央に引き返してくるときに足を引きずっているコー太くんの姿に感動しました。ゴールしても、いつもの笑顔はなく、厳しい顔で試合に戻るコー太くん、本当に痛かったんだろうなぁ。

同点に追いつかれ、どんどん動けなくなってくるコー太くん。普通だったらすぐに交代になってもおかしくないほどの状態なのに、コー太くんのチームにおける存在は大きすぎたのでしょうか。そしてまもなく前半終了というとき、ついに逆転されてしまいましたが、本当に動けなくなるまでコー太くんは頑張りました。そして後半に入ってから、ついに自分で×マークを出して、交代・・・。

悔しかったでしょう。
ロッカールームに戻るコー太くんの目から涙がぽろぽろこぼれたということです・・・
着替えてベンチに戻ってからも、右手の甲に書いた「夢」という文字を握り締めながら、もう試合を静止できないといった感じで祈るような姿でいたのが本当に痛々しかった・・・
試合終了の笛が鳴ったとき、ほとんど放心状態といった感じで泣くこともできずに呆然としていたコー太くん・・・

でもきっとこの大会でかけがえのない経験をしたのは確かです。このときの貴重な経験が今のコー太くんの成長に実を結んでいるのは間違いのないことだと思います。

<この大会でもうひとつ印象に残ったのはわれらがコンサドーレのDF、コー太くんの後輩の大野くんがすばらしい活躍を見せたこと、そして全てが終わったとき、誰よりも号泣していたことでした・・・二人とも、Jリーグでの大活躍、期待してるよ!!>